今回は、中国で過去に開設した銀行口座が突然使えなくなった!カードをATMに入れても、「このカードは使えません」と表示されてしまう方に向けて、どうして中国の銀行口座が凍結してしまうのか、その理由と解決策をお伝えします。
私自身、銀行口座が何度も凍結し、その度に面倒なフローを踏んで凍結解除をしてきたので、皆さんにとって少しでもお役に立てばと嬉しいです!
中国の銀行口座が凍結する理由
過去の留学や駐在の時に、中国で銀行口座を開設してそのまま放置していて、久々に中国でお金を引き出そうとしたら、「このカードは使えません。窓口まできてください」と表示されてしまった方、いらっしゃるのではないでしょうか?
銀行口座が凍結して、過去に預けていたお金はどうなるの!?と不安になっているかと思います。
実は、中国の銀行口座は、特定の理由で口座が凍結になることがあります。
それは、パスポート等の身分証明書の有効期限が切れた時です。
日本人の皆さんは中国で銀行口座を作る際に、身分証明書としてパスポートを使用したかと思います。
パスポートには有効期限があり、その期限を超えると、中国の銀行側で自動的に銀行口座が凍結してしまうのです!
パスポートの有効期限まで管理しているの!中国の銀行ってすごい!!
身分証であるパスポートの有効期限が切れている=本人を証明できない
ため、凍結処置となります。
そのため、銀行口座を再開してお金を引き出すためには、中国の銀行側にパスポートの更新内容を知らせる必要があります。
中国の銀行口座の凍結を解除する方法
中国で開設した銀行口座の「凍結」を解除する方法は、パスポートナンバーが更新されたことを銀行に伝えることです。
しかし、ただ古いパスポートと新しいパスポートを持って行っても、凍結解除はできません。
大使館で発行してもらった「同一人物証明」を持っていく必要があります。
「同一人物証明」とは、現在のパスポートと過去のパスポートの所持者が同一人物であることを証明する書類で、中国語で書かれていて、主に銀行手続きや不動産売買などで使用される書類です。
「同一人物証明」の発行方法
中国の銀行凍結解除のために必要な「同一人物証明」は、在中国日本国大使館に発行依頼を行います。
「同一人物証明」の発行には、下記の書類が必要です。
過去のパスポートは無くても問題ありませんが、パスポートナンバーを申請書に書く必要があるため、わかる状態にしましょう。
申請にかかる費用
105元/枚
申請にかかる時間
2営業日
「同一人物証明」の申請には、2営業日かかります。そのため、中国の滞在時間が短い方は「事前仮申請」を行いましょう。
事前仮申請とは
事前に大使館あてにメールで必要事項を送ると、「同一人物証明」を準備しておいてくれ、2営業日以降に窓口に受け取りに行くと、スムーズに受領できるというシステムです。
事前仮申請の方法
メールアドレス:ryoji@pk.mofa.go.jp
↓
メール送信後に電話する※電話が難しい場合は、メール文面にその事項を記入しましょう
↓
2営業日以降に、大使館に行き、「同一人物証明」を受け取る
最新の詳細は大使館公式サイトのこちらから確認してください。
中国の銀行凍結解除の流れ
それでは、実際の中国の銀行口座が凍結された際の、凍結解除の流れをお伝えします。
2024年1月に、実際に筆者が経験した内容です!
口座の凍結解除のためには、「同一人物証明」以外にいくつか持っていくものがあります。
中国の携帯番号は実際に使っているものが望ましいです。
この番号は、銀行によっては「最新のパスポートで契約した電話番号」でなければいけません。
農業銀行(农业银行)は、電話番号さえあれば本人確認は不要でしたが、中国銀行は凍結解除の際に電話番号の本人確認および電話番号宛に何度かショートメールで番号確認を行いました。
確実に凍結解除をしたい場合は、一時的に携帯番号を取得したほうが良いです。
携帯番号の取得方法はこちらから
実際の凍結解除までの流れは下記のとおりです。
↓
「パスポートを使って受付をしたい」と伝え、受付番号を貰う
※パスポートを強調しないと、「モバイルバンクでも出来ますよ」など、受付番号を貰うまでに時間がかかります。
↓
番号が呼ばれたら、受付で「パスポートの期限が切れたので、銀行口座が止まっている。再開したい」と伝える。
・銀行のカード(通帳は不要)
・同一人物証明
・新旧パスポート
を銀行員に渡す
↓
銀行員より何度か質問を受けたり、暗証番号入力を促されるので、それに従う
↓
凍結解除
スムーズにいくと、上記のような流れで凍結が解除されますが、私は凍結解除になんと1時間もかかりました!
実は筆者は、結婚して苗字が変わったので、通常よりもさらに複雑だったため1時間もかかりました。
パスポートナンバーの更新だけだと、30分ほどで完了します。
暗証番号を忘れてしまっていると、ここからさらに30分~50分ほど時間がかかります。
中国で携帯番号の取得方法
中国で携帯番号を取得する際には、「中国電信」「中国聯通」「中国移動」のいずれかのキャリアと契約をする必要があります。
私は凍結解除のために、「中国移動」で契約しました!
実際に「中国移動」で契約した時の流れは以下の通りです。
↓
「パスポートで電話番号を取得したい」と伝え、受付番号を貰う
↓
番号が呼ばれたら、受付で「パスポートで電話番号を発行したい」と伝える
いくつかのプランから、1つ選ぶ
↓
店員からSIMカードを得て、自分のスマホに差し込む
平日の昼間に行ったので店内はあまり混んでおらず、待ち時間0分の、30分ほどで番号発行が終了しました。
銀行口座を維持したい場合は、電話番号をずっと保有している必要がありますので、プランを選ぶときに気を付けましょう!
筆者はパスポートを更新するたびに中国に渡航して銀行口座凍結解除を行うことが難しいと判断して、
一度凍結解除
↓
お金をすべて引き出し、銀行口座を解約
としたため、一番最安のプランを選び、2か月目以降はお金を支払わないことで自動的に携帯番号自体も解約しました。
※ここら辺のお話も、正直に店員さんに伝えると助けてくれます。
特に大使館の近くなど外国人が多いエリアの携帯キャリアの店員さんは、こういったことに慣れているようで、親切に色んなアドバイスをくれましたよ!
結婚後の苗字変更は凍結解除の時間が倍に
通常だと銀行口座凍結解除は、30分ほどで終わりますが、筆者は苗字が変わったためなんと「1時間」も変更に時間がかかりました。
どうしてこんなに時間がかかるかというと、中国は結婚後に苗字が変わる習慣がありません!
そのため、中国の銀行側ではイレギュラー対応になるため、「新旧パスポートで苗字が変わったが、本当にそうなのか」の確認や承認フローが複雑です。
パスポートの番号更新だけであれば問題ありませんが、苗字の変更は凍結解除→新しい苗字での銀行口座を開設といったフローになるようで、手間がかかるのです。
私は「農業銀行」と「中国銀行」の2つの口座を持っていましたが、外国人が多い地区や本店以外の店舗の銀行員はこういった対応を過去に行ったことが無かったようで、毎回支店長など総出でとりかかっていました。
そのため、今後結婚して苗字が変わる予定がある方は、初めに凍結解除をして銀行口座を解約するなどしたほうが、手続きがスムーズになります。
まとめ
今回は中国の銀行口座が凍結した場合、どうやって凍結解除をするのか、その方法を解説しました。
凍結解除には下記の4つが必要で、「同一人物証明」は在中国日本国大使館に発行依頼をする必要があります。
・同一人物証明
・中国の携帯(電話番号)
・新旧パスポート
「同一人物証明」は発行に2営業日必要なので、事前にメールで申請を行いましょう。
私は何度も銀行口座の凍結解除をしていましたが、何度も「同一人物証明」の発行を行うのが面倒で、ついには口座を解約してしまいました。
この記事で、「口座が凍結されたけど、どうすればいいの!?」と悩んでいる方にとって、少しでも役に立てばうれしいです!
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